メンタルヘルスの背景について

メンタルヘルスの背景について

厳しい情勢の中、企業等において強い不安・ストレスなどによる心の不調を訴える労働者が増加しています。
うつによる長期休職、また深刻場合には自殺など、業務に密接な関係があると判断された場合には、労災の補償対象になります。中には、事業者が民事上の損害賠償を責任を取られる場合があります。
これは、事業者としても決して見過ごせない問題であり、メンタルヘルス(心の健康)ケアへの関心は年々高まってきました。
労働者のメンタルヘルス不調を企業経営におけるリスクと考え、組織全体の心のレベルを引き上げていくことが、企業の活性化・生産性の向上につながるという考え方も出てきてます。

 

心理相談員は、厚生労働省のトータル・ヘルス・プロモーション・プランに準じて中央労働災害防止協会(特別民間法人)が認定する民間資格です。

 

2013(平成25)年4月から始まった厚生労働省による第12次労働災害防止計画でも、メンタルヘルス不調を未然に防ぐための1次予防の必要性が示されています。

 

20代の死因のうち、その約50%が自殺によるものです。
その自殺者数は年間で、約2,800人 (出典:内閣府『平成26年版自殺対策白書』より)。
自殺者のうち、6割〜9割の人々が何らかの不調をメンタルヘルスに抱えていたと言われています。
つまり20代の若者の自殺の背景にメンタルヘルスの問題が関わっていることが、
  1日で5〜7人
  1年で1700〜2500人(年間自殺者数と上記比率より)
それだけ多くの人々がこころの健康を失い、命を絶っていることになります。
20代の若者のメンタルヘルスを向上させることが、今日の日本社会においては、重要な社会課題だと言えます。

 

こころの病の主な損失は、
患者の治療・サポートのための医療・社会サービスなどの費用」(上図の医療費と社会サービス費用)
患者本人の家庭・職場での生産性低下による損失」(同、罹病費用)
精神疾患が原因での死亡により実現されなかった期待収入の損失」(同、死亡費用)
などがあるとされており、総合失調症、うつ病性障害、不安障害による社会的損失は、計8兆円以上と試算されています。
メンタルヘルスによる経済的な損失は、生産性の低下や医療費の増加など、社会が成長するために必要な資本(ヒト・カネ・モノ)に大きな悪影響を与えています。
したがって、メンタルヘルスの解消に向けた取り組みは、経済的にも必要であると言えます。

 

また2011年、厚生労働省により、精神疾患が癌などと同様の「五大疾患」に認定されたことからもわかる通り、日本においてメンタルヘルス問題は、もはや病気の枠を超えて、誰もが損失を受ける可能性のある社会問題となっています。